2016年11月03日

ヨガフェスタリポート アーナンドラ・ジョージ先生の「マントラ超入門と光のガーヤトリー」 1/2

スタジオ・ヨギーのしちです。マントラの響きは、意味を知らなくても、なんとなく心地いい感じがします。マントラ専門の先生、アーナンドラ・ジョージ先生のクラスに興味があり、“超入門”というのに惹かれ、ヨガフェスタ2016でクラスを受講してきました。先生にも掲載の許可を得て、日本でのアーナンドラ先生の記事の監修・監訳をしているダケアヤナ先生に執筆のご協力をいただきました。
 
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アーナンドラ・ジョージ先生は、世界的に活躍するサンスクリットマントラ講師。Yoga Alliance認定RYS"THE HEART OF SOUND"代表を務めている。
 
マントラは、そもそもなんでしょう?
 
マントラヨーガの世界観を一言で言うならば、マインドのアーサナです。私たちの本質とは、幸福で満たされたエネルギーそのものですが、
一般的な思考=ネガティブな思考によってその本質を覆い隠されると、私たちは、自分自身のことを悲観的に考えたり、小さく無力な存在である、などと思い込んでいることが多くあります。現代社会はとても忙しく、とても多くの人々が不安やストレスを日常的に抱えていたり、それによる精神疾患にかかってしまうことも多くあります。
 
初心者に、マントラのことを簡単に表現すると、チャンネルを変えるための方法です。では、どんなチャンネルを、どのように変えるのでしょう?
 
私たちは普段、頭の中にある考え事や、雲のように変化してさまよう心の声にとらわれて、それをイコール「自分自身だ」と思い込んでいます。ですが、私たちの本当の姿は、移ろう思考でも肉体でもありません。
私たちとは、純粋な愛・宇宙・可能性・エネルギーそのものなのです。ヨーガ哲学の世界では、私たちは神そのものである、などと表現されることもあります。
 
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マントラヨーガの練習によって、マインドに変容をもたらせば、思考は自分で選び取ることができるようになります。初心者からインストラクターの方にも、しっかりとお伝えしたいことは、無限の力を秘めた存在として生きるのか、ネガティブなパターンを繰り返す人生を生きるのか、まるでテレビやラジオのチャンネルを変えるように、私たちは誰もが自分の力で人生を選択して生きて行けるということです。
 
スピードが大好きな現代社会を生きていると、ついつい即効性を求めがちですが、マントラヨーガの効果は、すぐに目に見えるものもあれば、時間がかかるものもあります。
もし、意識できる効果がすぐに起きなくても、微細なレベルで、マントラの響きは深層心理や神経にまで深く深く作用してくれます。変化が一晩であっという間に起こらないとしても、心配はありませんよ。
 
……じっとする瞑想が苦手だったりまだ遠く感じている人には、マントラを聴く時間をもつことからはじめてもよいかもしれません。そして自分でも口ずさんで音のヴァイブレーションに身を浸すと、忙しい日常からひととき、心をリセットすることができそうです。(しち)
 
サンスクリット語マントラとは? サンスクリット語のマントラを練習する意義
 
サンスクリット語とは4500年もの間、変化することなく受け継がれた微細なヴァイブレーションを持つ言語です。母音子音一つ一つがすでに意味やエネルギーを持っているのが特徴で、それらの音の振動・周波数を用いて瞑想することができるのが、マントラヨーガです。
 
ただ唱えるだけでもパワフルですが、正確な発音でチャンティングすることによって、その効果は最大限の力を発揮します。
 
母音と子音の誕生ストーリーは、静寂から音へ、すなはち無から有へというこの世の成り立ちを表しています。マントラを唱えるときには、まず声に出して、だんだん小さな声へ、つぶやき、やがて心の中だけで唱えて、最後には音のない静寂に瞑想します。それは、形あるもの=音から、無=静寂という全てが始まる場所へ戻ってゆく練習です。
 
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……たしかに、マントラを唱えたあとは、しん…という静寂に包まれているのを感じます。あきらかにその場にいるひとたちと一体となった感覚を味わいました。(しち)
 
私たちの肉体にはやがて終わりが来たり、物質的にできないことなど制限がありますが、マントラを唱えてヴァイブレーションを共鳴させれば、普段「これが私」だと思い込んでいるレベルからより本質的な「本当の私」を感じることができます。練習を始めればすぐに、内面が拡大して広がってゆくのを感じたり、より練習が深まれば、自分自身の存在が果てしなく無限の存在であることを、はっきりと思い出すことができるでしょう。
 
感じ方は人それぞれです、そのステップを楽しんで練習してください。
 
サンスクリット語の重要な5つのマウスポジション
 
サンスクリット語マントラの微細なヴァイブレーションを体験するには、正確な発音と、そのためのマウスポジションを習得することがとても大切です。
 
難解に思えるマントラであっても、5つのマウスポジションで発音できます。これについて特にお勧めしたいことは、良い先生のもとで生の音を聞きながら学ぶことです。発音や振動を書物から学ぶことはとても困難で、マントラが代々口伝のみで伝えられてきた理由でもあります。
 
例えば、ピアノの音を、楽譜を見て書物からだけで、学べるでしょうか? 実際にピアノを弾いてみて、先生の指導を受けて、タッチの強さや響かせ方を学びますよね? 繰り返し練習をして指の動きを身につければ、やばて素晴らしい音色を奏でられるようになりますよね?
 
マントラは、5つのマウスポジションなので、ピアノを弾くほど難しいことではありませんがぜひ、正確な発音を学んばれることをお勧めします。
 
1. 喉音
2. 口蓋音
3. 反舌音
4. 歯音
5. 唇音
 
良い先生に出会い、その先生の体験や経験とともに伝えられるマントラのことを生きたマントラと呼びます。発音を学べば、それによって最大限の効果や響きがもたらす体験を得ることができます。マントラ練習によって起こるマインドの変容の過渡期も、先生からのサポートを受けながら、自分に必要なアドバイスを得られるでしょう。
 
……発音によって確かに響く場所が違う!と目からウロコでした。(しち)
 
代表的なマントラ につづく
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