スタジオ・ヨギーを展開するロハスインターナショナルの坪井です。
2月27日(金)~3月1日(日)の3日間、アメリカのサンフランシスコで開催されたWisdom2.0に参加してきました。
Wisdom2.0は、最先端のMindfulness瞑想についてのカンファレンスです。近年アメリカでは、アップル社の設立者である故・スティーブ・ジョブズ氏が瞑想に取り組んでいたことも一因となって、瞑想への注目が高まりつつあります。多くの研究者が科学のメスを用いて瞑想の効用を明らかにしつつあり、メンタル・コントロールの一つの手段として、また、集中力の向上、直感力を鍛える手段として、瞑想の実践者も徐々に増えてきています。そのようなアメリカでの“Mindfulness瞑想”の最前線に迫ってみたいと思います。
Day1では、特に印象的だったスピーカーを中心にご紹介します。
世界から2,500人の参加者と豪華なスピーカー
2009年にはじまり、今年が6年目のwisdom2.0@サンフランシスコ、に世界から2,500人が集まりました。参加チケットは売り切れ状態の大人気。スピーカーとして、マサチューセッツ大学にマインドフルセンターを創設したジョン・カバット・ジン氏、『サーチ!(原題:Search Inside Yourself)』の著者チャディ・メン・タン氏などmindfulness業界の著名人から、Google、Facebookなどmindfulnessを研修として導入している企業が勢ぞろいしました。
脳科学者による問いかけ~あなたは「今」に集中できていますか
Wisdom2.0の創設者ソレン・ゴールドハマ氏の開会スピーチの次には、脳科学者として世界的に著名なリチャード・デービッド氏(下写真)が登場。彼とMindfulnessの出会いは、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世と出会った1992年。ダライ・ラマ氏から「あなたはニューロサイエンス(神経科学)を使って『compassion』(思いやり)を研究すべきだ」という言葉をもらったことが、彼の人生において大きな転換点だったそうです。
そして、神経システムの変化、遺伝子、脳と身体のシステムなどを研究しているデービッド氏から聴講者への問いかけがありました。「アメリカ人のうち47%は、今自分のやっていることに気を配っていない。今に集中しないと、どうしてよりよい人生を送ることができようか」。私の心にぐさっと刺さる一言でした。未来・将来の準備に追われがちな毎日だからこそ、今、目の前のことに集中しなければ、人生を十二分に楽しんでいるとは言えないなと感じました。
Compassion Leadershipを目指すLinkedInのCEO
ビジネス特化型のSNSであるLinkedInのCEOジェフ・ワイナー氏(下写真の中央)はMindfulnessの実践者として有名です。
ワイナー氏によると、彼の目指すリーダーシップとは「Being」(リーダーとしての在り方)を意識するというものです。アメリカでは「強いリーダー」がよしとされる傾向があるにも関わらず、彼の目指すところはそれとは異なるというものでした。彼の目指すBeingとは「compassion leadership(他者に対して思いやり型リーダーシップ」。日本の経営者でいうと、稲盛和夫氏(京セラ、第二電電(現KDDI)創業、日本航空(JAL)名誉会長)のような考え方に近しいのかもしれないと感じました。
そして、ワイナー氏の説く「会社」とは何か、というお話が今の時代に合った考え方だと感じました。ワイナー氏によると、世界のSystemが抱える社会問題の解決を目指すものがSub-Systemである会社の役割であるとのこと。そのため、会社で働く従業員も、会社のために働くのではなく、社会問題の解決に向けて働いているという意識を持つべきであるということ、です。
シリコンバレーという「戦いの最前線」にいながらも、compassionを忘れることなくチームをまとめ、社会問題の解決に邁進する。そんなことができるのか、と思わざるをえないが、ワイナー氏が3,000人の営業マンの前で歌を歌い、組織としての一体感を醸成した話を聞くと、それも信じざるを得ない気持ちになりました。歌はうまくなくていいんだよ、みんなが歌い始めると自分の声は聞こえなくなるから、というユーモアのある話しぶりとともに、会場のみんなの気持ちを一つにまとめ、みんなと一緒に歌を歌い始めてしまう彼から、ひしひしとcompassion leaderとしての魅力が伝わってきました。
Practiceセッション/参加型のセッションが開催されたDay2は、こちら。
ビジネスパフォーマンスを高めるために、もっと「瞑想」を知りたい方は……
ビジネスの世界でもその効果への期待が高まっており、スティーブ・ジョブズ氏やビル・ゲイツ氏、ソニー創業者の井深大氏といった著名なビジネスリーダーも、瞑想の実践者として知られています。また、米Google、ゴールドマンサックス、Yahoo!、Intel、P&Gなどの有名企業が、研修プログラムとして瞑想を導入しています。 ビジネススキルの一つとしても注目される瞑想。その魅力について、瞑想歴20年のスタジオ・ヨギーのエグゼクティブ・ディレクターのキミ先生にお話を聞きました。
>>瞑想でビジネスパフォーマンスをあげるMeditation×Business
2015年04月09日