骨盤を中心に全身を調整をする「ビューティ・ペルヴィス」。“正しい” は一つではないと語る、考案者のkyo先生にお話を訊きました。
──「ビューティ・ペルヴィス」は、緩めて、正して、整える…を基本に置く不変的なメソッドでありながら、毎回のレッスンで新鮮な気づきがありますよね。
ビューティ・ペルヴィスの考えは、「人には必ずクセがあるから、そのクセを活かしつつ」です。大人になればなるほど固まってきてしまうクセをできるだけ緩めたいと思っています。
クラスの前半に、緩めて土台を正す、という骨格調整を行うのですが、緩めて、正して、再教育するという構成は、すべてのものの真理だと思っています。
──カラダだけでなく?
ええ。『正しい』っていう言葉は、実は私たちインストラクターはあまり使っちゃいけないって言われてるんです。「正しい位置に戻す」「正しい姿勢にする」などの『正しい』を。
私も最近あらためて思うのは、ないんです、『正しい』ってものは。一つではないってこと。
──その人、それぞれにとって “正しい基準” が違うからですか?
そうなんです。そして、人それぞれのセンター、軸があるんですよね。
最近、すごく面白いものを見つけたんです。「ロックバランシング」という、石を積み上げていくことを競う人たちがいるんですよ。どんな石でも積み上げるの。接着剤なしで。
▲ロックバランシングアーティスト、Peter Juhl氏の写真集
これを見たときに、すごい!と思ったのと同時に、「これ骨格と一緒!」と思ったんです。
この石の積み上げを骨格と思ってみてください。頭蓋骨、胸骨、骨盤…それぞれの形に個性があり、それらがバランスを取っているんですよね。これを見て、人と一緒だなと。
形の異なる石の積み上げでも、軸が取れるんですよ。それで立つんです。積み上げていくうちに、さらにいろんなバランスを取ろうとするんです。
──確かに、一番上の石を取ったら、全部崩れそうですね。
そうなんです。立体的な形の中でよく計算されていて…。個性豊かな形でも、バランス見つけて調和させるのですよ。すごいでしょ!
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2015年10月31日