2016年01月22日

受け身から、前のめりになる喜び(後編)~Art of living interview~

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解剖学講師 中井 真吾

 
今注目しているのは筋膜
 
──好きな筋肉や骨ってありますか?
 
今興味があるのが、筋膜です。筋膜っていうのは、医学的にはただ筋肉を包んでいるだけのもの、というふうに思われていたのが、実は重要だった、というのが最近わかってきたんです。某テレビ番組では、筋膜は医学界のシンデレラとも言われていました。
 
もともと僕が筋膜に興味を持ったのは、kyo先生のおかげですね。kyo先生はすごいです、先取りしていますからね。筋膜のほかにも、仙腸関節もそうです。あの関節も、謎なんです。ある研究で、仙腸関節に塩分濃度の濃い液体を注入する検証をしたんです。痛みをわざとつくり出すのですが、骨盤周囲が痛くなるかなというのはなんとなくわかります。でもそれが、足先のほうまで痛くなるときもある。どうしてなのか原因はわかっていません。そんなことをいろいろ研究している段階です。
 
学生が長く、社会人になったのは、30歳を過ぎてから
 
──学生時代が長かったそうですね?
 
僕は、一浪して、一留して5年間大学へ行って、そのあと大学院へ2年間行って、修士号を取りました。さらに、理学療法士の養成校に一回落ちて。その次の年に理学療法士の夜間部の養成校に受かりました。そこから4年間、日中はトレーナーのへ派遣会社で働き、夜は学校という日々が続きました。そのトレーナー派遣会社の中村千秋社長(現早稲田大学スポーツ科学学術院准教授)が、僕をkyo先生に紹介してくださったんです。僕がちょうど理学療法士の免許をとったところでした。だから僕、きちっと社会人になって働きはじめたのが31とか32です。学生をずーっとしていました。そして、懲りずにまた大学院へ行っています。学生時代が長かった、いや進行形で長いんです。
 
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──この仕事(解剖学講師)をしていてよかったな、と思うときはどんなときですか?
 
元々人に教えるのがたぶん好きなんですね。学校の先生になりたいなーと思っているときも一時ありました。トレーナーの語源のトレインには、教育するという意味もあるんです。スポーツ選手のトレーナーとしてが始まりでしたが、今は、解剖学の講師とか、大学の講師として教える立場になって、今僕が持っているさまざまな最新の知見や適切な情報を、みなさんにお伝えできること、みなさんがそれを理解して、「よかった」、「改善した」、「こう考えればいいんだ」、と思ってもらえたときが、うれしいです。
 
僕は解剖学の講師で解剖学を教えているんですけど、実際には何を教えているかっていうと、自分で考える力を教えようって思っているんです。もちろん僕自身にも足りない部分で、自分で育てなくちゃいけないな、って思っています。スタジオに来て、ヨガ受けて、すっきりして帰る、でも良いんですけど、ヨギーさんってライフスタイルを提供したり、自分自身を高めようとするところを大切にしていると思うので。
 
受け身の姿勢から目を輝かせて倒れんばかりに前ノメリになって、講義を聞く、質問する、自分で考えるといった人間的な変化が見られたときに、解剖学講師という講師業をしていて、すごくうれしい。これやったらこういうふうによくなったんですよ、よくならなかったんですが、どうですか?と質問できるようになったら、すごいなーと思ったりします。2015年から担当している「カラダ塾」のネーミングは、すごくよかったと思っています。これが「セミナー」だったら、違っていたと思う。ヨギーと目指しているところは同じかなと思います。あくまでアナトミー(解剖学)を通して、自己実現とかを手助けする、というところが僕の役割だと思うし、それができているときがやはり一番うれしい瞬間だと思います。
 
 
前編はこちら
 

【中井先生の担当講座】
動きのアナトミー


ウェルカムアナトミー
カラダ塾

 
【Art of living interview】様々な世界観・生き方にある、“その人らしさ”をお届けしていくインタビューです。 “自分らしく生きる”人は、自分なりの哲学を持っています。生き方、日々の過ごし方、考え方、行動……インスピレーションとなって、私たちの心を豊かにしてくれる、そのひとつひとつが“アート・オブ・リビング”です。

 
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中井 真吾 Shingo Nakai

理学療法士。ヨギー・インスティテュートで解剖学講師を務める。早稲田大学人間科学部スポーツ科学科卒業。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。静岡産業大学女子バスケットボール部アスレティックトレーナー。介護老人保健施設ピースプラザ(理学療法士)。静岡産業大学経営学部講師。音楽療法士とともに、高齢者向けプログラムを開発中。
2009年よりビューティ・ペルヴィスプロフェッショナルコース修了生向け特別講義を担当。
高校生のクラブ活動や高齢者施設でのリハビリなどジュニアからシニア層まで、障害からの回復、パフォーマンス向上、健康管理の業務に従事している。また、その経験を活かし、大学や専門学校、指導者養成講座などにて現在まで多数の講師活動を行っている。
トライ・ワークス『アナトミーカード』、おうちでできる!はじめてのヨガレッスン監修等協力多数。
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