2017年03月17日

統合医療展リポート 「アーユルヴェーダによる体質に合った食事療法とセルフケア」 1/2

スタジオ・ヨギーのしちです。2017年1月25日、26日に、統合医療展というのが開催されました。そのなかで、『インド5000年の伝統医学アーユルヴェーダによる体質に合った食事療法とセルフケア』と題して講演されていた、アーユルヴェーダビューティカレッジ学長の新倉亜希先生のお話しを、先生に掲載の許可を得て、ご紹介いたします。アーユルヴェーダがどんな考えに基づいたものなのか、非常にわかりやすくお話しをされていました。
 
新倉亜希先生は、アーユルヴェーダをセルフケア、デイリーケアに、身近に使えるように活動をされています。
 
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aki_niikura_profile
新倉亜希先生。アーユルヴェーダビューティカレッジ 代表、日本アンチエイジング&ヘルスデザイン協会(JAH) 代表理事、内閣府認定 アーユルヴェーダ協会 理事なども務める。アーユルヴェーダはWHOで認定されている予防医学という観点から、医師とも提携し、インド5000年の歴史を持つ"生きる知恵"を活かすべく、食や子育て・介護・ホテル・観光・インバウンドなど生活の様々な領域で企業と連携を推進している。商品開発や事業連携にも積極的に活動しています。
 
新倉先生は、インド・ジャイプールにある医療法人Chakrapani Ayurveda Clinic & Research Centerにてアーユルヴェーダ医師のもとで修行をしアーユルヴェーダヘルスコンサルタントとしてのライセンスを取得し、その後、同病院と提携し、日本における本格派アーユルヴェーダの普及を促進するためスクールを開校しました。気さくなお人柄で、講座でも惜しみなくアーユルヴェーダについてお話ししてくださいました。
 
人間が自然と共存する“生きる知恵”
 
インドのジャプールにあるチャクラプールリサーチセンターでアーユルヴェーダの修業をしました。証券会社に勤めていた頃、メニエール病を発症し、治療中に、アーユルヴェーダの治療院に出会います。ハーブなどの薬事、食事療法、生活療法をするうちに、症状が治りました。その後、アメリカのアーミッシュタウンが自然療法をやっているということで、そこに3ヶ月滞在します。
 
インド病院診察室_blog
 
体が発しているサインに自ら気づいて、病気になる前に自分でケアができることが大切だと実感します。
 
アーユルヴェーダは概念なので、なかなか理解されづらい、ということで、沖縄にアーユルヴェーダ農園をつくり、見える化をはかっています。
 
「アーユス」とは、長寿の意味があり、「ヴェーダ」とは、知恵の意味があります。
 
アーユルヴェーダは、インドでは医師のライセンスがないとできない医療行為になります。自分の体質がベースとなっていて、万人に当てはまる対処法というものでもありません。しかし、アーユルヴェーダはWHOの予防医学にも入っているように、世界的にも認知されている、人間が自然と共存する“生きる知恵”なのです。
 
アーユルヴェーダは5000年前、聖者がヒマラヤに集まり、このまま自然破壊が進むと地球に影響が出る、と、瞑想し神々に祈りました。それが起源と言われています。たとえば、ニームという薬草があります。300種類の病気が治ると言われています。実際、植えていると、虫がよらないため、農薬が要らない植物なのです。
 
mountains-himaraya_mag
 
3つのドーシャによるバランスで決まる体質
 
アーユルヴェーダでは、自然界は、5つのエネルギーで構成されると考えます。それは、空、風、火、水、地の5つです。
 
これらの五大元素は、感覚器官(耳、皮膚、目、舌、鼻)と、行為器官(発声、操作、移動、生殖、排泄)を生み出したと言われており、肉体と魂と精神のバランスをつかさどっていると考えられています。
 
アーユルヴェーダでは生まれつき、体質は決まっていると考えられていますが、日々の小さい習慣が積み重なってそれが原因となり、様々な体調の変化や不調を生みだす場合があると考えられています。そのため、原因を細かく探るカウンセリングをして、土台から整えていきます。
 
アーユルヴェーダは、ドーシャエネルギーという考え方に基づいています。次の3種類があります。
ヴァータ・・・空と風 呼吸と心臓の動きなどの運動のエネルギー
ピッタ・・・火と水 胆汁または熱 代謝や変換エネルギー
カパ・・・水と土 粘液または痰、栄養素から骨格を形成する結合エネルギー
 
これら3つのバランスがとても良いときに、アーユルヴェーダでは健康な状態とみなします。
 
Ayurveda_humors
 
現代人に多いうつは、ヴァータのエネルギーの過剰とタマスを引き起こす死んだ食べ物が原因とも言われ、カパの停滞はまた、メタボリックの原因とも考えられています。
 
ドーシャとは、不純なもの、病素という意味もあり、どのドーシャがバランスを崩したかによって、起こりやすい不定愁訴やその改善法が明確になります。
 
一生変わらない体質を知るには、今の自分ではなく、子どもの頃の自分でチェックします。
 
インドでは、結婚する前に、お互いでドーシャチェックをします。ドーシャの違う同士で結婚でして、お互いが補完しあえたり同じドーシャによる病素が強くならないように考えられているからです。
 
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そこから、離婚しない婚活、というのもおこなっています。アーユルヴェーダ診断で相手の体質、気質を把握しておくと、関係性を上手に保てるからです。
 
ドーシャ別の症状を例にあげましょう。
ヴァータ・・・耳に病気が出やすい。耳鳴り、頭位変換性めまい、生殖器、神経痛、目の痙攣など。
ピッタ・・・目、皮膚、おなかに病気が出やすい。討論が多い、怒りが多い、頭を使い過ぎる、辛いもの刺激物を食べ過ぎる、コーヒー、アルコールを常習する。ものもらい、じんましん、胃腸に影響、下痢するなど。アーユルヴェーダでは1日に3回便が出るのは不調ととらえます。
カパ・・・動きが鈍い。呼吸器系、咳、喘息、糖尿病、アレルギー疾患、鼻炎。
 
病気となる前に、サインを見逃さないことが大切です。たとえば、おならがすごく出るのは、ヴァータが悪化している可能性があるです。
 
発病させないための、維持、ケアをするのがアーユルヴェーダなのです。
 
ドーシャは、単体型、複合型があります。3つのうちどれかが飛び抜けているタイプ。3つ同じという、バランスが取れているのはトリドーシャ、バランスがいいタイプです。このタイプは、病気になっても治りやすい傾向があります。
 
体質は個性であると同時に、その人の病気へのかかりやすさも意味します。アーユルヴェーダでは、不調が生じたときに、各人の体質に合わせた、食事、生活、病気への対策をします。
 
一生の周期、季節の周期、1日の周期がある に続く
 

スタジオ・ヨギーでも学べるアーユルヴェーダ
自分の体質を知るには…アーユルヴェーダ~基礎編~
自然のリズムにそって生活するには…アーユルヴェーダ~生活編~
自分に合う食事法を知るには…アーユルヴェーダ~食事編~
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