2017年03月17日

統合医療展リポート 「アーユルヴェーダによる体質に合った食事療法とセルフケア」 2/2

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一生の周期、季節の周期、1日の周期
 
体質は一生変わらないのですが、体調は環境、生活習慣によって変わります。また、アーユルヴェーダでは、いくつかの周期が考えられています。
 
一生の周期
0~30歳 カパ
30~60歳 ピッタ
老年期 ヴァータ
 
一年の周期
春 カパが悪化
夏から秋は ピッタが悪化
冬はヴァータが悪化
 
そのため、季節の前に食養生をして、季節を乗り越えます。
 
1日の周期
朝6時から4時間ごとに、カパ→ピッタ→ヴァータの順に周期があります。
 
アーユルヴェーダでは、「日の出の96分前に起きる」という教えがあります。その時間帯は、ヴァータの要素の時間です。
 
「早起きは三文の徳」にあたるアーユルヴェーダの言葉があります。
“ブラフミームフルタ”と言います。
 
時間のサイクルにおける要素を活用して生活すると、健康的になれると考えます。夜の10時までカパの時間なので、眠りやすい。夜10時から2時まではピッタの時間なので、寝るのに最適ではない。朝活はヴァータのエネルギーを活用し活動しやすく、サットヴァでメンタルが純粋な時間に相当します。
 
住む場所によってもドーシャの影響が出てくると考えます。季節性情動障害というのもあるように、自分の体質にあった気候のところに住むのが大事です。
 
アーユルヴェーダ農園1
 
健康にいいと思っているものでも万人にいいものはない
 
気づき → 問題意識 → 行動変容
というのが自分自身でできるようになるのが、アーユルヴェーダなのです。つまり、自分の体質に合ったライフスタイルに気づいて見直し、改善すること。健康にいいと思っているものでも万人にいいものはないのです。自分に合った健康法なのか、ライフスタイルなのか、食事なのか、取捨選択すること。
 
体質を知り、自分に合ったQOL(クオリティオブライフ:生活の質)を高める暮らし方を知ること。その体質に合った暮らし方と現状を見直してみること。そのギャップを埋めるための、ライフスタイルを改善すること。
 
新倉先生は、“アーユルヴェーダによる体質に合った食事療法とセルフケア”を日常生活に取り入れやすいよう、サロンで施術や指導をし、専門家を育成し、商品開発をしています。
 
・メンタルケア・・・ 活力、やる気を取り戻す ライフスタイルや、人間関係を改善
・デトックス・・・浄化療法や、便秘改善。乾布摩擦は、アーユルヴェーダが起源と言われています。ガルシャナという、絹の手袋でマッサージします。
・食事バランス・・・体質別・体調別の食べ方を提案します。
・血行促進・・・ガルシャナという乾布摩擦と、アヴィヤンガトリートメント、体質別のお風呂の入り方
・リラクゼーション・・・ストレスキラーのハーブの活用
 
ハーバルボールインド_mag
 
・ホームヴェーダ・・・新倉先生の造語で商標を取っている講座・コンセプトです。アーユルヴェーダ@homeを実践し、日々の体調をアーユルヴェーダセルフケアで整え、未病対策をします。
・アーユルヴェーディック・・・”アーユルヴェーダ的な”という意味で、後ろにつく言葉により変わりますが、早寝早起きのブラフミームフルタをすることは、アーユルヴェーディックな生活の一部です。
・台所薬局・・・日々の体調のサインを感じながら、ちょっとした不調なら、家庭の台所にあるスパイスや、ハーブの薬効成分を活用し、治すこと。また、体質にあった食べ方をすること。
・セルフケアトリートメント・・・体質・体調別のオイルマッサージや、ガルシャナ、ごま油のうがい、鼻うがい、モリンガハーブの摂取や、体質別ハーブティの摂取など。
 
以上のような視点から、オーダーメイドの提案をおこなっています。
 
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いままで断片的に知っていたアーユルヴェーダの大きな枠組みを知ることができました。体質は生まれつき決まっていても、環境、生活習慣によって体調が変化し、体質によってどこに症状が出やすいか異なるのですね。
 
思い当たる節がありました。この講演のあと、新倉先生にお目にかかってお話ししていたところ、「みんな自分が冷えていると思って誰もが温活している。しょうがやニンニクを摂ったりするけれど、全員に必要なわけじゃないんですよ。たとえばピッタの人は、その性質を強めることになるので、同じ体温をあげるにしても、ごぼうなど根菜類で摂ったほうがいいんです」と。
 
ピッタ・ヴァータの私は、そうとは知らず、体温が低めだからと必死にしょうが紅茶とか飲んでました!にんにくを集中して食べると胃がむかつきます。なるほど!!
 
「健康にいいと思っているものでも万人にいいものはない」という言葉にも納得です。いつでしたか、「バナナダイエット」をしたところ、私の場合は、かえって太りました。
 
自分自身を知って、自分に合った健康法を見つけること。それが、アーユルヴェーダなんですね。その、自分自身の状態に気づく、というところで、ヨガが役立つのだと思います。
 
前編:人間が自然と共存する“生きる知恵” 
 

スタジオ・ヨギーでも学べるアーユルヴェーダ
自分の体質を知るには…アーユルヴェーダ~基礎編~
自然のリズムにそって生活するには…アーユルヴェーダ~生活編~
自分に合う食事法を知るには…アーユルヴェーダ~食事編~
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