2016年08月10日

王様のヨガから人々のヨガに。 現代ヨガのルーツをたどるドキュメンタリー。

sub02_blog_1
 
映画『聖なる呼吸 ヨガのルーツに出会う旅』(原題『Breath of the Gods』)は、ヨガ初心者のドイツ人の映画監督がインド南部のマイソールをめぐり、現代ヨガの父と言われる、クリシュナマチャリア師の子どもたちや、直弟子に会い、インタビューを重ね、現代ヨガがどんなふうに発展してきたか、その軌跡を描いたドキュメンタリーです。
 
アーサナと呼ばれるポーズのかたちが本当に5000年前からあるのか? 原型が変化していまのかたちになったのか? そんな監督の素朴な疑問からはじまります。
 
現在、世界のヨガ人口は3億人と言われていますが、20世紀初頭は、ヨガ発祥の地インドでも、少数の年配者や僧侶だけにしかヨガは知られていませんでした。当時、大学でヨガの実践と哲学を教えていたクリシュナマチャリア師は、マイソール王国の君主に雇われ、毎朝、王族向けのヨガクラスをし始めました。
 
そのとき、身体能力を高めるために古典ヨガを発展させ、新たなヨガの方式=ヴィンヤサスタイルを確立し、現代ヨガの源流になったそうです。
 
クリシュナマチャリア師の弟子に、現代ヨガの主要流派アシュタンガヨガを築いたパタビジョイス師、同じくアイアンガーヨガを築いたBK.S.アイアンガー師があり、アイアンガー師は、クリシュナマチャリア師の義弟でもありました。
 
sub03_blog_2
 
厳しい指導で知られるクリシュナマチャリア師は、やり方を説明するなど“教える”ことはなく、完成形のかたちを強要するか、できないポーズがあっても突き放すだけだったと語るのは、アイアンガー師。彼は、直弟子とはいえ、わずか2週間しか直接の指導を得ていなかったそう。なぜ彼が師とは違うヨガのやり方を立ち上げたのか、その理由も語られます。
 
かたやパタビジョイス師は、模範生徒としてクリシュナマチャリア師と共にインド各地をまわりヨガ普及に努め、長年を共にしました。そんなパタビジョイス師から、シュミット=ガレ監督は、太陽礼拝を学びます。
 
sub08_blog_3
 
王が設立し、クリシュナマチャリアが指導していたヨガ道場の跡地をめぐったり、映画の後半では、ヨガの名前を冠した神さまを祭る寺院や、ヒンドゥー教の神話に出てきたアーサナをする神様の壁画など、ヨガの原点を示すような場所を訪れます。
 
監督とともにヨガゆかりの地をめぐるのは、クリシュナマチャリアの三男で、ヨーガの指導者でもあるシリーバーシャム。シールシャアーサナ(頭立ちのポーズ=head stand)が、古代インドの大長編叙事詩『ラーマヤーナ』にも登場することや、同じくもうひとつの2大叙事詩の『マハーバーラタ』にもたくさんのアーサナが登場するということが語られます。
 
main_blog_4
 
マントラは、ヨガ(アーサナ)をはじめるとき、あるいは、アーサナに集中するために唱えていました。108の神様の名前を唱えることもあったそうです。
 
南インドの美しい風景とまさに“フィルム”の時代に撮られた貴重な本人映像を織り交ぜた本作品。ヨガをする人ならだれもが触れたことのある古典の名前が現れたり、有名流派の創始者の実際の指導風景や語り、アーサナの由来、マントラの実践的な様子を知ることができます。
 
ヨガの原点をひもとくヒントが随所にちりばめられている映画です。字幕監修を、ケン・ハラクマ先生がおこなっていることでも話題です。
 
yoga_kokyu_1_blog_5
 
2016年9月3日(土)YEBISU GARDEN CINEMA、9月10日(土)渋谷アップリンクほか全国順次公開
 
スタジオ・ヨギーのインストラクターも多数、この映画を観ており、コメントをよせています。ヨギーの会員のみなさまには、割引鑑賞券を差し上げておりますので、ご興味ある方はぜひスタジオでお受け取りください。また、8月29日の先行試写会ご招待もございます。詳しくは下記お知らせよりご覧ください。
 
映画『聖なる呼吸 ヨガのルーツに出会う旅』スタジオ・ヨギーからのお知らせ
 
スタジオ・ヨギー しち
PR BLOG一覧に戻る