2016年11月03日

ヨガフェスタリポート アーナンドラ・ジョージ先生の「マントラ超入門と光のガーヤトリー」 2/2

代表的なマントラ OM(AUM)
 
bija ビージャ・マントラ
種子音は、一音節から成るマントラです。それがbija ビージャマントラです。
 
たとえば、OM(AUM)などがそうです。AUMの発音のコツは、舌をリラックスさせて、口蓋と口の中や頭全体に響くように発音することです。そしてMの発音は必ず唇を閉じること。日本語の「オーム」のように、ムの音で唇が離れていると、音の振動がまったく違うことに気がつけるでしょう。
 
seeds-mag
 
この他に、ヨガフェスタでご紹介したマントラは
 
Saguna Mula サグナムーラ・マントラ
 
ガネーシャやサラスヴァティのような、神様の名前とそれの種子マントラを組み合わせたもの。それぞれの特徴的なエネルギーとつながります。
 
たとえば、ガネーシャマントラは、グラウンディングや安定、もしくは障害除去などという代表的な力を持っています。
 
神の名というものは、エネルギーに名前をつけたと捉えることができるでしょう。それらのマントラは「○○さん」と名前を呼ぶかのような文法の呼びかけ形式になっていて、例えば、シヴァ神の名=エネルギーに呼びかけると、シヴァのエネルギーが答えてくれます。
 
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……この絵はサラスヴァティ。ほかにどんな神様がいてどんなパワーを象徴しているのだろう?ともっと知りたくなりました。(しち)
 
nirgura ニルグナ・マントラ
呼吸の音のマントラ=ソーハムなどが代表的。深い真実とつながり瞑想するマントラ。
 
Taraka タ-ラカ・マントラ
解放のマントラと訳されることが多い。サヴィトリー・ガーヤトリー・マントラやハレクリシュナなど有名で一般的なマントラの多くは、このターラカ・マントラに属するでしょう。
 
ガーヤトリーマントラとは?
 
「ガーヤトリー」とは、音節を表しています。音節というのは、特定の節のようなもので、日本にあるもので例えるなら、俳句=五七五七七のような伝統的な音節のことです。
 
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写真は、発音が詳しく表記されたホワイトボードを見ながらの講義の様子。
 
「サーヴィトリーガーヤトリーマントラ」は、光をも超越する光のマントラという意味で、このマントラは、光の向こう側にある無限の光に瞑想するもので、マントラの伝統の中でも最も古く最も多くの人々に受け継がれ唱えられてきた大切なマントラです。
 
インドの神官階級=ブラフマン階級では、毎日必ず唱えるものとされています。
 
長い形式のガーヤトリーマントラを唱えれば、私たちの意識は地球レベルから微細な意識へと上昇し、そして光のエネルギーが降りてきて、両者が交わることで悟りへと導いてくれると言われています。
 
サーヴィトリー ガーヤトリー マントラの伝説
 
賢者のポーズのことをヴァシシュタアーサナと呼びますね。重要な聖人であり偉大なヨギーであるヴァシスタと、一人の王様が主人公です。
 
王様は、自分には本当の力はないと思い悩んでいました。そして賢者ヴァシシュタの元で、様々な修行をします。
 
vasista_asana_mag
 
最終的に、ただの人だった王様はヨギーになって、彼自身のエゴが静まったことを感じた時、ヴァシスタにひざまづくと、ヴァシスタの足元から、ある響きが聞こえてきました。それが、サーヴィットリー ガーヤトリーだと言われています。
 
ヨガフェスタでは、実際にサヴィトリー ガーヤトリー マントラの意味や発音を学び、伝統の発音と音程で、全員でチャンティングしました。
 
どうやって唱えればいいの?
 
伝統的なマントラの練習では、108回繰り返します。想いを込めたり、願いをかけて念仏を唱えるというよりは、唱えるときには、音の響きの中へと心と体を浸すようにしましょう。自分の意識、自分の周波数を、聖なる響きに合わせてゆくのです。そうすることで、日常的な思考やマインドのパターンから離れて、本当の自分へと深くつながることができます。
 
長い形式のガーヤトリー マントラを108回唱えると、2時間近くかかるので、現代社会で暮らしながら毎日その練習をするのはなかなか難しいですよね。その場合、21回毎日唱えることをお勧めしています。光のマントラなので、日の出や日没、太陽があるうちに唱えることが推奨されます。
 
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……唱えるタイミングや回数を教えていただくと、実践しやすいな、と思いました。(しち)
 
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笑顔がとてもあたたかく、透明感のあるよく響く声のアーナンドラ先生。「ハルモニウム」というアコーディオンのような楽器の「びゃーーーーん」という音がクラスの間中響いていました。
 
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メモを元にまとめたものの、途中何度もわからなくなり、アーナンドラ・ジョージ先生とともにマントラティーチャーズトレーニングをしているダケアヤナ先生、そのお二人を師事しているヨガインストラクターのサユリ先生に助けを求めましたところ、ダケアヤナ先生自ら快く応じてくださり、わかりやすくまとめてくださいました。
 
じっと静かな時間を過ごす瞑想が苦手な場合、マントラを聞いたり、チャンティングしたりして集中する時間を持つことはできそうです。ただ、自分の状態に合ったマントラは、師から授かるようなので、自分のためのマントラをいただく機会もいつか持ってみたいと思いました。
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